北海道の西、積丹半島の西岸に広がる神恵内村、泊村、共和町、岩内町。江戸、明治、大正と、ニシン漁で栄えた当時の風情が残るこの地には、日本海の幸や、名湯もあれば、ニセコ連峰のふもとには、田畑が広がり、青海原を望む、スキーリゾートもあります。そして、それぞれのまちが先人から受け継いだもののひとつに、自分のまちの一部のように、お互いを認め合う地元で、「岩宇 Gan-wu(がんう)」と称される強い結びつきがあります。
その特徴は、たとえば人と人との縁を大事にしてきたから、100年続いている店が多い。となり合うまちの、海や畑の作物のおいしさまでよく知っているから、口に入れるほとんどのものは、生産者の顔が見えている。濃い人、あったかい人、ひとなつっこい人。ここは、海の幸、山の幸だけでなく、人の幸も豊富な場所。
そう、絶景やグルメだけが、名所ではありません。けれども、知られざる名所こそ、かけ足では出会えません。どうぞ、あちらこちら寄り道しながら、自分だけの名所を見つけて心も、荷物も、いっぱいにしてお帰りください。“人のよさ”が、“土地のよさ”に、あらわれている。そんな場所を、のんびりとめぐる旅に。人の幸でも、名所になりたい。岩宇 Gan-wu です。