Gan-wu
岩宇の魅力や情報を日々発信します
夏の岩宇。新鮮な海産物を中心とした旬のグルメを心行くまで楽しもう。
北海道の西、積丹半島の西岸に広がる岩宇地域は、岩内郡の岩内町と共和町、古宇郡の泊村と神恵内村の4つの地域からなるが、海産物は主に岩内町、泊村、神恵内村で獲れる。岩内町は、古くからニシン漁の千国場所として栄え、東北地方を始め、各地から人が集まり賑わって、優れた文化が数多く生まれた町でもある。全国でも有数の生産量を誇る「塩数の子」と「身欠ニシン」の産地として知られ、釣れたその日に加工場に届く釣りたらこを使用したタラコは岩内町が誇るブランド品である。
泊村は、ウニとアワビが名物で、育てる漁業にも力を入れている。ホタテなどの養殖漁業に取り組み、村にはエゾバフンウニの人工種苗生産施設である「泊村栽培漁業センター」が設置されている。神恵内村では、ウニ・ホタテ・アワビ・ホッケ・あんこうなどが水揚げされ、夏場はなんといっても甘みの強いウニがごちそうである。4つの地域のどの地域でも、地域の飲食店や、お寿司屋さん、居酒屋等で、新鮮な海産物を楽しむことができる。
夏のイカ。それは、岩宇地域の地元住民にとって、心待ちにする旬のグルメの一つ。
特に岩宇の沿岸地域である岩内町、泊村、神恵内村、さらには共和町まで含むこの地域の夏の旬のグルメと言えば、毎年地元民がその時季を今か今かと心待ちにする、イカである。回遊魚であるイカを追って、日本各地からの外来船が北海道の岩内の港に入る夏と冬の前の時期には、夜の海を明るく照らす漁船による漁火を楽しむことができる。
この時期になると、地域の住民の朝食には朝水揚げされたばかりのイカが並ぶ。旬のグルメである。新鮮でコリコリとしたその触感はたまらない。夏の暑さとともに、透き通った新鮮なイカをほんの少量の醤油とともに、口に運べば、磯の香りが口いっぱいに広がり、新鮮だからこその触感を楽しむことができる。北海道を感じることができる一品だ。
また、岩宇地域で楽しむことができる「イカの沖漬け」も、忘れてはならない海の恵みを味わうことができる一品である。新鮮なイカを醤油やタレに生きたまま漬け込むことから、沖漬けと呼ばれる。ほどよく味の染み込んだイカは、口いっぱいに磯の香りを届けてくれる。漁師町ならではのグルメである。
夏のウニ。甘みが強く、ウニの甘漬けとして、漁師町ならではの楽しみ方も。
イカとともに、ウニも岩宇地域の夏の時期の旬のグルメの一つである。北海道では主に、日高地方や、羅臼、利尻・礼文、松前・江差・奥尻などの道南、そして岩宇地域を含む積丹半島がウニの一大産地とな っている。
同じ北海道の中でも、それぞれの地域ごとに、ウニが漁獲される時期は異なり、例えば、日高地方では1月~3月頃、6月~8月頃に楽しむことができる利尻・礼文地域、羅臼では2月~5月頃となる。岩宇地域が含まれる積丹半島のウニの時期は、例年6月~8月頃となっており、特に産卵が始まる前の7月初旬から中旬ごろのウニは、甘みが強く地元民からも心待ちにされる。
また、例年6月頃にウニ漁が解禁されて、しばらくしてから出回るウニの甘漬け(瓶詰め。粒ウニとも呼ばれる)も、漁師町ならではの、海の恵みを口いっぱいに楽しむ事ができる一品である。水揚げ後、殻から取り出された状態で加工されていないものを「生ウニ」と呼び、 生ウニに塩を加え熟成させたものが「粒ウニ」と呼ばれる。生ウニよりも、より一層濃厚な味わいとなっており、地元では、この粒ウニを、これまた冬の時期に沿岸地域で獲れる岩ノリを伸ばして乾燥させた寒海苔(かんのり)で包んだおにぎりの具として食べる「うにぎり」が、地元ならではの贅沢な食の楽しみ方として知られている。
岩宇地域では、寿司屋や、居酒屋を始め、美味しい海産物を楽しめるお店がたくさんある。
積丹半島の西側に位置し、構成する4町村のうち、3つの町村である岩内町、泊村、神恵内村が海に面している岩宇地域では、海産物を中心とした旬のグルメを楽しむことができるお店が多くある。
時季時季の新鮮な海産物を始めとした漁師町ならではの豪快な刺身を楽しむことができる街の居酒屋。古くから漁師町として発展してきたからこそ、舌の肥えた地元住民たちの間でその技術や味を磨き生き残ってきた地元の数々の寿司屋。そして、その日市場で獲れた新鮮な魚介類をリーズナブルな価格でお腹いっぱい楽しむことができる街の定食屋さんなど、選択肢は豊富だ。
常連になると夜のスナックでさえ、先に紹介したどんじゃ海苔(寒海苔)と呼ばれる磯の風味が通常の海苔よりも何倍も強い海苔に粒ウニを具にした「うにぎり」を楽しむことができるお店もある。古くは江戸時代、明治時代、大正時代のニシン漁から始まり、豊かで新鮮な海の恵みとともに生きてきたこの地域だからこその、今も暮らしの中に残る食文化を、ぜひこの岩宇地域に訪れて楽しんで頂きたい。