Gan-wu

JOURNEY

岩宇の魅力や情報を日々発信します

北海道にある岩内という町をご存じですか?

 ニセコパノラマラインは、ニセコ五色温泉郷から共和町神仙沼を通り、北海道西海岸へと抜ける絶景の観光ドライブルートです。この66号線は、かつて「硫黄街道」と呼ばれていた時代がありました。今からさかのぼること161年前の万延元年、時の岩内場所請負人が、江戸幕府の命により硫黄鉱山を開き、人馬を使役して硫黄を岩内港へと運ぶために、この道を開きました。アイヌ語のイワウ(硫黄の)=ナイ(沢)というのが「岩内」という地名の語源です。

岩内が日本の公文書に記録された、最も古いものは約320年前。元禄時代の蝦夷(北海道)地図に地名が記されています。古来、船に乗って北海道沿岸を北上し、この岩内に入った旅人は、緑の山々の向こう側に、草木のまったくない硫黄の岩山が聳えているのを見ていただろうと想像されます。今も町の海岸線からは、地名の由来である硫黄の禿山-イワオヌプリを見つけることができます。

岩内の地域について(概要)

北海道ニセコ連山のいちばん西方に極まるのが、岩内山と雷電山。その山すその、日本海に接する平野部に、岩内の町は拓かれています。現在の人口は12,000人余。町は多くの人々が行き交う、岩宇の要所です。古くから本州各地や道南松前方面と海運で繋がり、北海道南西部においては小樽に次ぐ大きさの港が、明治時代に築かれました。鰊漁とスケソウダラ漁で栄え、身欠き鰊やタラコなどの水産加工品が、現在も岩内の名産品となっています。

にぎやかな繁華街は、岩内港の中央部にある「道の駅いわない」から、観光客が歩いて廻れるエリアに広がっています。飲食店は岩宇地区の農村、漁村から集まる新鮮な食材が豊富で、寿司、漁師メシ、そして本格スィーツなど、地元の味を楽しむことのできる、大小さまざまなお店が軒を連ねています。

岩内の魅力

 北海道積丹半島の付け根にある岩宇には、厳しくも豊かな自然環境があります。北に広がる海の幸、南に連なる山の幸、そして人々がつくる里の幸が、小さなエリアにぎゅっと詰まっているところですが、さらに誇りとしているのは、この地域の歴史、文化、芸術です。古くから漁業で栄えた岩宇地区には、その膨大な富を土台とした芸術文化が根付いています。昭和29年(1954)に町の約八割を焼き尽くした「岩内大火」を経験し、その後の復興で町並みは近代風ですが、焼失を免れた寺町通りの地区には、神社、古刹、日本庭園などが、いにしえからの荘厳な姿を残しています。

 また町内には木田金次郎美術館と、荒井記念美術館という北海道内でも本格的な美術館が二つもあり、町のいたる所、小さな飲食店や商店などにも、油彩画が飾られている「絵の町岩内」としても見所が満載です。

岩内のこれからと観光について

岩内山の懐に抱かれる「いわない温泉郷」には、現在6軒の観光ホテル、宿泊施設があります。温泉に近接したオートキャンプ場「マリンビュー」やイワナイリゾートスキー場は、積丹半島と岩宇の町々を一望できる、眺めの良い人気の観光スポットとなっています。

この自然豊かな温泉郷の魅力とともに、いま観光地としての新たな魅力が再発見されつつあります。それは外ならぬ、岩宇の人の中にあります。「浜の母さんの料理教室」や「町の人気住職に出会うお寺訪問」などが一例で、普段着の町の人との「出会いの場」が、岩宇ならではの体験型観光の要となってきています。美しい北海道の海と山に囲まれた、隠れ家のような岩宇の町は、古きよき日本文化の香りが残る、いわばニセコの奥座敷。在り来りの「観光」とは一味違う、地元の人々の素朴でさりげない「心尽くし」こそが、訪れる旅人の中に温かい思い出として、きっと残ります。