Gan-wu
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北海道後志管内共和町の高台に、全国のファンから愛される日本初のカマンベール工房「北海道クレイル」はある。
創業は1975年。共和町小沢出身の世界的画家西村計雄(にしむら・けいゆう)さんの息子である西村公祐(にしむら・こうゆう)さんによって創業された。
公祐さんは東京育ち。1960年に中学を卒業後、10代半ばで父計雄さんを追って渡仏。以来、1971年に帰国するまでの11年間(1960~1971年)をチーズの本場であるフランスで過ごす。
当時、パリの市場で食した「本場のチーズ」に感動し、「日本でもこの味を広めたい‼」と決意されて、チーズ造りの修行に勤しまれたという。
ナチュラルチーズの本場、フランス国立乳製品専門校『Ecole D`industrrie Laitiere MAMIROLLE』に学び、乳製品醗酵技術の国家資格を取得。フランス国立農学院研究所ケーリング博士のもとで醗酵技術を7年間研究したのち帰国。本物のカマンベールチーズを知ってもらいたいという熱意で、共和町の地で工房をスタートさせた。
なぜこの場所を選んだかというと、海が近く、風が強い共和町老古美(おいこみ)が「カマンベール発祥の地であるフランス北部ノルマンディ―に似ていたから」とのこと。カマンベールは公祐さんが修業時代、最も気に入ったチーズという。
現在経営は、長男公太さんが引き継ぎ、チーズ生産は公太さんの幼なじみの嶋本清美さんが切り盛りする。
■チーズの特徴や製造へのこだわり
日本で流通している多くの白カビタイプチーズは、乳酸菌が生きていないものがほとんど。その中にあって、北海道クレイルでは、乳酸菌が生きたままの白カビチーズの販売を行っている。そのため、購入後も、時間の経過とともに、様々な熟成の変化を愉しむことができる。
以下は、北海道クレイル公式HPの情報を参考とした記載である。
https://clair-cheese.com/camembert.html
◎熟成期間1週間「最もフレッシュでさっぱりとした口当たり」
表面の白カビは真っ白で、中身は白っぽく芯が残っている状態。フレッシュなミルクの風味と酸味が特徴。
◎熟成期間3週間「程よいコクにクリーミーな味わい」
表面の白カビに近い部分はクリーム色に変化し、中心部分に硬い芯が残っている状態。
ミルクっぽさがより増し、程よいコクのある風味に変化。
◎熟成期間5週間「しっとりとした口ざわりにチーズの濃厚な味わい」
全体的になめらかで柔らかい状態。芳醇な香りとともに濃厚な風味を愉しむことができる。
ぜひとも、生きている“生”のチーズとその変化を、この記事を読んで頂いている、あなたにも楽しんで頂きたい。
■代表的な商品(チーズ)の紹介
・カマンベール・カレ
小説家・開高健氏が愛した、長いクレイルの歴史の中で第一作目として誕生した作品。“カレ”とはフランス語で四角と言う意味で、そのユニークな形状も特徴のひとつ。北海道クレイルを代表する逸品で、さわやかでフレッシュなカマンベールチーズ。
・カマンベール・ロワレ
クレイルが厳選している生乳に「生クリーム」を加えたほんのり芳醇なチーズ。熟成が進むと濃厚な味わいになり風味も豊かになっていく。フランスの地名・ロワール地方を名前の由来としたカマンベールチーズ。
・おいこみブルー
職人が手間をかけ、ブルーチーズの青カビをカマンベールではさみこんだ新しいタイプのチーズ。塩分は控えめで食べやすいのが特徴。ホワイト&ブルーの世界観を愉しむことができる。
■製造から販売までの流れ
製造はすべて手作りで行っており、量産できない白カビチーズタイプである。
販売は主にインターネット販売・ふるさと納税・新千歳空港等のお土産店・自然食に特化したスーパー等でされている。
北海道クレイル オンラインショップはこちら
https://shop.clair-cheese.com/
●この記事を書いてくれた方:岩宇の応援団101号
岩宇訪問歴6年、訪問回数50回以上。岩宇を第2のふるさとだと感じている北海道在住のとあるアウトドア好きの人。